岩谷産業は日本を代表する総合エネルギー企業であり、圧倒的な収益を誇っているのが特徴です。
本記事では、岩谷産業の平均年収のほか、年代・職種別の年収・残業時間・福利厚生などの気になる情報についてまとめました。
岩谷産業への就職・転職を考えている方は、ぜひ本記事を参考に応募するべきかどうか判断してみてください。
本記事の要点はこちら
- 岩谷産業の平均年収は?
-
岩谷産業は有価証券報告書において、平均年収を公開しています。
2023年度(2023年4月1日〜2024年3月31日)における岩谷産業の平均年収は約970.2万円と発表されていました。
同年に国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によれば、全給与所得者の平均年収は460万円となっており、全体平均を大幅に上回る数値であることがわかります。
年度 平均年収 平均年齢 2023年度 約970万円 39.6歳 2022年度 約940万円 39.7歳 2021年度 約900万円 39.6歳 引用:岩谷産業|有価証券報告書
- 岩谷産業の年代別年収は?
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openworkによれば、岩谷産業の年代・年齢別の年収は以下の通りです。
年齢 平均年収 25歳 535万円 30歳 664万円 35歳 790万円 40歳 883万円 引用:openwork|岩谷産業年齢別の年収
- 岩谷産業の中途採用率は?
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人事データによれば、岩谷産業の中途採用率は以下の通りです。
年度 中途採用者数 全体における採用率(※1) 2022年度 11名 13.5% 2023年度 15名 15.6% 引用:岩谷産業|人事データ
※1 新卒採用+中途採用の合計数に対する中途採用者の割合2023年度の中途採用数は前年度に比べて2%ほど増えていますが、全体の15%とかなり狭き門であることがわかります。
岩谷産業の平均年収は970万円
岩谷産業は有価証券報告書にて平均年収を公開しています。
2023年度(2023年4月1日〜2024年3月31日)における岩谷産業の平均年収は約970万円と発表されていました。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2023年度 | 約970万円 | 39.6歳 |
2022年度 | 約940万円 | 39.7歳 |
2021年度 | 約900万円 | 39.6歳 |
国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」の全給与所得者の平均年収と、岩谷産業を比較すると以下の通りです。
年度 | 岩谷産業の平均年収 | 全給与所得者の平均年収 |
---|---|---|
2023年度 | 約970万円 | 460万円 |
2022年度 | 約940万円 | 458万円 |
2021年度 | 約900万円 | 443万円 |
岩谷産業の平均年収は、全国民の平均年収と比べて2倍ほど高いことがわかります。
岩谷産業と他社の年収を比較
ここでは、岩谷産業と他の総合エネルギー企業との年収を比較して紹介します。
企業名 | 平均年収 | 引用元 |
---|---|---|
岩谷産業 | 約970万円 | 23年度有価証券報告書 |
伊藤忠エネクス | 約993万円 | 23年度有価証券報告書 |
三愛オブリ | 約959万円 | 23年度有価証券報告書 |
三谷商事 | 約841万円 | 23年度有価証券報告書 |
シナネンホールディングス | 約712万円 | 23年度有価証券報告書 |
富士興産 | 約653万円 | 23年度有価証券報告書 |
カメイ | 約635万円 | 23年度有価証券報告書 |
岩谷産業の年収は、他の総合エネルギー企業と比べると2番目に高いことがわかります。
岩谷産業における給与体系|年代別・役職別の年収は?
この章では、岩谷産業の年収がどのように決まるのかを改めて解説します。
岩谷産業の給与は基本給と残業代、賞与で構成されています。賞与は年に2回、基本給の5〜6か月分が支給されます。
岩谷産業の年収=基本給 + 残業代+ 賞与(年2回)
さらに深掘りするため、岩谷産業の役職・年代別の年収や、賞与について見ていきましょう。
岩谷産業の役職別の年収
岩谷産業では、以下のような職群をもとに年収が決定されます。
- 役職なし
- 主任
- 課長代理
- 課長
- 部長
基本的には年功序列で上がっていく。昇格に必要な資格の取得とある程度仕事をこなしていれば昇格は間違いなくできる。
引用:openwork|年収・給与制度| 営業、在籍5~10年、現職、男性
上位の役職になるためには、昇格要件があるが、難易度は非常に低く、90%以上の社員は昇格する。基本的には、年功序列で40歳前後で年収は1000万円となる。業績の評価によって給料の前後はあるが、同年代の年収差も10%以内におさまると思われる。
引用:openwork|年収・給与制度| 営業、在籍5~10年、現職、男性
岩谷産業の職群別年収イメージは下記の通りですので、ぜひ参考にしてください。
役職(グレード) | 年収イメージ | 年次イメージ |
---|---|---|
役職なし | 400-700万円 | 1-7年目 |
主任 | 700-800万円 | 8-11年目 |
課長代理 | 800-1,000万円 | 12年目以降 |
課長 | 1,000万円-1,100万円 | 16年目以降 |
部長 | 1,100万円-1,200万円 | 評価次第 |
岩谷産業の年代別の年収
openworkによれば、岩谷産業の年代・年齢別の年収は以下の通りです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
25歳 | 535万円 |
30歳 | 664万円 |
35歳 | 790万円 |
40歳 | 883万円 |
会社・個人の業績にもよりますが、順当に昇格すれば40歳には年収800万円を突破できる可能性が高いといえそうです。
岩谷産業の残業代
岩谷産業では、残業代は全額支給されます。
残業代はやっただけしっかりともらえる。
引用:openwork|年収・給与制度|営業事務、在籍5〜10年、現職、女性
なお管理職に就くと、基本給が上がる代わりに残業代はつかなくなります。
40歳ぐらいまでは順調に給与はあがり、1000万円を超えますが、そこからの上がり幅は部長クラスになるまでは非常に小さい印象があります。残業代がつかない管理職になると手取りが減ったという声もよく聞きます。
引用:openwork|年収・給与制度|営業、在籍10〜15年、男性
岩谷産業の賞与(ボーナス)
岩谷産業のボーナスは、年2回、6月と12月に支給され、年収に占める賞与の割合も高いです。
ボーナスは年間で7.2ヶ月分程である。賞与の割合が非常に大きい。
引用:openwork|年収・給与制度|事務、在籍10~15年、現職、女性
給与は非常に恵まれていると思います。しっかり賞与ももらえますし、まずまずの生活を送ることができます。
引用:openwork|年収・給与制度|事務、在籍10~15年、退社済み、男性
ボーナス比重がたかく、今は業績も良いので十分な額をもらえている。
引用:openwork|年収・給与制度|企画、在籍10~15年、退社済み、男性
岩谷産業の働き方|残業時間・離職率・福利厚生は?
この章では、岩谷産業の残業時間、福利厚生などの基本情報を紹介します。
岩谷産業の残業時間
岩谷産業は、公式サイト「人事データ」で残業時間を公開しています。
岩谷産業の残業時間は、2024年3月度で14.1時間です。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によれば、2024年度の正社員の平均残業時間は13.9時間となっています。
岩谷産業は全国平均と比べるとさほど差異はなく、平均的な労働時間で高い年収を得られる企業といえるでしょう。
各年度の残業時間については、下記を参考にしてください。
年度 | 月間平均残業時間 |
---|---|
2021年度 | 12.7時間 |
2022年度 | 13.7時間 |
2023年度 | 14.1時間 |
岩谷産業の離職率・平均勤続年数
岩谷産業の「人事データ」によれば、離職率・平均勤続年数は以下の通りです。
自己都合退職率(自分の意志で退職する割合)は2022年度からやや上昇傾向にあります。
年度 | 自発的離職率 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
2021年度 | 2.9% | 15.7年 |
2022年度 | 4.1% | 15.5年 |
2023年度 | 4.2% | 15.3年 |
岩谷産業の福利厚生
岩谷産業は、福利厚生も充実しています。
- 財形貯蓄制度
- 持株制度
- 住宅資金貸付制度
- 借上社宅制度
- 転勤者子女入園・入学金補助制度
- 遺児等奨学金制度
- 単身赴任者帰宅旅費補助
- 災害・傷病見舞金
- 海外駐在員への危機管理サービス・医療補助制度
- 企業型確定拠出年金(DC)制度
- 会員制福利厚生サービス など
また、社員やその家族が、より健康で安定した生活が送れるようにさまざまな取り組みを行っています。
柔軟な働き方や継続就業に関する選択肢を増やすことで、社員の満足度と意欲の向上、ワークライフバランスの実現をサポートしています。
以下にその一例を挙げますので、ぜひ参考にしてください。
福利厚生 | 内容 |
---|---|
テレワーク勤務制度 | 一定の条件の中で、在宅勤務などのテレワーク勤務を行うことが可能 |
休暇の時間単位取得制度 | 「年次有給休暇」「子の看護休暇」「介護短期休暇」について、時間単位で柔軟に取得可能 |
勤務形態の変更制度 | ライフイベントの事(結婚・配偶者の転勤・介護など)による勤務形態変更および希望に沿った勤務地への異動申請が可能 |
早期復職支援手当 | 子が1歳に達するまでに復職した場合、育児サービスに関する費用を月額50,000円を上限として実費支給 |
介護休業 | 最大186日まで(最大3回まで分割可能) ※法定では93日まで |
部活動支援 | 健康増進やオフタイムの充実、活発なコミュニケーションの場とすることを目的に、さまざまなクラブ活動を支援 |
社員寮 | 大阪の寮は堺市、東京の寮は吉祥寺などにあり、施設内にはトレーニングジムや大浴場を完備 |
岩谷産業のキャリアパス
岩谷産業では、「発揮能力の向上、役割の遂行、成果の拡大に軸足を置いた処遇と評価」を基本的な考え方としています。
加点主義に基づいており、その役割に最もふさわしい人材を、メリハリをつけて的確に登用・配置しています。
社員による自律的なキャリアを支援することに注力し、社員一人ひとりが自律的にキャリアを形成できるよう「キャリアデザインBOOK」を発行しているのが特徴です。
研修は、全員参加の「必須研修」と、「選択・選抜研修」の二つを提供しています。
- 必須研修:全社員を対象に、各キャリアステージにおいて基礎となるスタンスや知識を学ぶ機会を提供
- 選択・選抜研修:社員一人ひとりの興味や希望に応じて、発展的な知識を向上させることが目的
さらに、グローバル人材としての素養を高めるための海外インターンへの社員派遣や選抜型でのグローバルリーダー研修も実施しています。
海外大学から受け入れたインターン学生とともに商品拡販プロジェクトを実施するなど、実務を通じたグローバル人材の育成にも取り組んでいます。
語学力向上の支援としてTOEIC受験や、通信教育・オンライン英会話受講費用の補助など、社員一人ひとりの能力向上を支援する仕組みが充実しています。
公式サイトに、評価体系や研修制度について詳しい情報がまとめられていますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
岩谷産業はどんな会社?|年収が高い理由・今後の展望も解説
ここでは、岩谷産業の事業やサービス内容について改めて紹介します。
岩谷産業の主な事業・サービス内容
岩谷産業株式会社は、1930年に創業された、日本有数の総合エネルギー企業です。
LPガス、カセットこんろを中心としたエネルギー事業と、水素などの創業以来の産業ガス事業を基幹として、それらから派生した機械、溶材、電子機器、マテリアル、食品など幅広い分野で事業展開を図っています。
代表取締役会長 兼 CEOは牧野明次氏が務めており、大阪本社は大阪市中央区本町、東京本社は東京都港区西新橋に置かれています。
会社概要 | |
---|---|
会社名 | 岩谷産業株式会社 |
英語名 | Iwatani Corporation |
資本金 | 350億96百万円 |
本社所在地 | 大阪本社:大阪市中央区本町3-6-4 東京本社:東京都港区西新橋3-21-8 |
岩谷産業の年収が高い理由
岩谷産業の年収が高い理由として、安定的な収益を挙げていることと、会社業績が賞与に反映されやすいことが挙げられます。
2025年3月期 第2四半期決算説明資料によれば、岩谷産業の売上高は増収、営業利益は増益。全ての利益項目で過去最高益を更新しています。
とくにセグメント別の売上実績を見ると「総合エネルギー事業」「産業ガス・機械事業」「マテリアル事業」が好調です。
好調であればそれだけ賞与額も上がりますので、岩谷産業の社員は今後も高い年収を維持できる可能性が高いといえるでしょう。
岩谷産業の今後の展望
岩谷産業は、2023年に発表した中期経営計画「PLAN27」において、今後の成長戦略を描いています。
重点施策は以下の通りです。
重点施策 | 具体的な取り組み |
---|---|
水素戦略 | 脱炭素関連の需要拡大を捉えた、液化水素ビジネスの拡大 CO2フリー水素サプライチェーンの構築 |
脱炭素戦略 | 低・脱炭素ソリューション事業の推進による事業拡大 脱炭素社会の実現に向けた投資 |
国内エネルギー・サービス戦略 | LPガスの事業インフラを活用したシェア拡大、流通合理化 地域の社会課題解決に貢献するサービスの提供 |
海外戦略 | 各セグメントの強みを生かし、各地域の事業を拡大 |
非財務戦略 | 気候変動への対応 人材の獲得・成長・活躍を通した組織の成長を実現 イワタニの強みを活かす技術・保安力の強化 |
これらの取り組みにより、岩谷産業は企業価値をさらに高め、今後も発展を続けていくものと考えられます。
まとめ
本記事では、有価証券報告書や口コミをもとに岩谷産業の年収について紹介しました。
岩谷産業の平均年収は、2023年度時点で約970万円となっており、全国民の平均460万円と比べて高い結果となっています。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2023年度 | 約970万円 | 39.6歳 |
2022年度 | 約940万円 | 39.7歳 |
2021年度 | 約900万円 | 39.6歳 |
岩谷産業では会社業績が賞与に反映され、年収における賞与の割合も高いため、収益を上げるほど年収が上がっていくものと考えられます。
2023年度の中途採用率は15.3%とかなり狭き門ではありますが、ワークライフバランスを保ちながら平均よりも高い水準の年収を目指している方や、自律的なキャリアパスを描いて自己成長していきたいと考える方に向いている企業といえるでしょう。
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