阪和興業は日本を代表する独立系総合商社であり、就活生・転職希望者から高い人気を誇っています。
本記事では、阪和興業の平均年収のほか、年代・職種別の年収・残業時間・福利厚生について紹介します。
阪和興業の平均年収を知りたい方や、阪和興業への就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
本記事の要点はこちら
- 阪和興業の平均年収は?
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阪和興業は有価証券報告書において、平均年収を公開しています。
2023年度(2023年4月1日〜2024年3月31日)における阪和興業の平均年収は約849万円と発表されていました。
同年に国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によれば、全給与所得者の平均年収は460万円となっており、全体平均を大きく上回る数値であることがわかります。
年度 平均年収 平均年齢 2024年度 849万円 37.8歳 2023年度 885万円 38.2歳 2022年度 842万円 38.4歳 2021年度 798万円 38.2歳 2020年度 829万円 37.1歳 引用:阪和興業|有価証券報告書
- 阪和興業の年代別年収は?
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openworkによれば、阪和興業の年代・年齢別の年収は以下の通りです。
年齢 平均年収 25歳 493万円 30歳 700万円 35歳 958万円 40歳 1055万円 引用:openwork|阪和興業年齢別の年収 - 阪和興業の中途採用率は?
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キャリア採用サイトによれば、阪和興業の中途採用率は以下の通りです。
年度 全体における採用率(※1) 2021年度 37% 2022年度 39% 2023年度 49% 引用:阪和興業|キャリア採用サイト
※1 正規雇用労働者の中途採用者の割合
阪和興業の平均年収は849万円
阪和興業は有価証券報告書にて平均年収を公開しています。
2023年度(2023年4月1日〜2024年3月31日)における阪和興業の平均年収は約849万円と発表されていました。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2024年度 | 849万円 | 37.8歳 |
2023年度 | 885万円 | 38.2歳 |
2022年度 | 842万円 | 38.4歳 |
2021年度 | 798万円 | 38.2歳 |
2020年度 | 829万円 | 37.1歳 |
国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」の全給与所得者の平均年収と、阪和興業を比較すると以下の通りです。
年度 | 阪和興業の平均年収 | 全給与所得者の平均年収 |
---|---|---|
2023年度 | 約885万円 | 460万円 |
2022年度 | 約842万円 | 458万円 |
2021年度 | 約798万円 | 443万円 |
阪和興業の平均年収は、全国民の平均年収と比べてかなり高いことがわかります。
阪和興業と他社の年収を比較
ここでは、阪和興業と他の独立系総合商社との年収を比較して紹介します。
企業名 | 平均年収 | 引用元 |
---|---|---|
阪和興業 | 約849万円 | 24年度有価証券報告書 |
長瀬産業 | 約1,095万円 | 24年度有価証券報告書 |
兼松 | 約1,001万円 | 24年度有価証券報告書 |
伊藤忠エネクス | 約994万円 | 24年度有価証券報告書 |
日鉄物産 | 約992万円 | 23年度有価証券報告書 |
ミスミグループ本社 | 約854万円 | 24年度有価証券報告書 |
ユアサ商事 | 約807万円 | 24年度有価証券報告書 |
阪和興業の年収は、他の独立系総合商社と比較すると、中程度の水準だといえるでしょう。
阪和興業における給与体系|年代別・役職別の年収は?
この章では、阪和興業の年収がどのように決まるのかを改めて解説します。
阪和興業の給与は基本給と残業代、賞与で構成されています。賞与は年に2回、基本給の5-6か月分が支給されます。
阪和興業の年収=基本給 + 残業代+ 賞与(年2回)
さらに深掘りするため、阪和興業の役職・年代別の年収や、賞与について見ていきましょう。
阪和興業の役職別の年収
阪和興業では、以下のような職群をもとに年収が決定されます。
- 総合職B
- 総合職A
- マネジメント職(課長クラス)
- 上級マネジメント職(部長クラス)
元々年功序列感が強い給与制度だったが、給与制度改定で責任、実力をベースとした給与設定になるようになった。
引用:openwork|年収・給与制度|総合職、在籍10~15年、現職、男性
総合商社に比較すると見劣りするが、その他日経企業の中では最高レベルの待遇と思われる。また持株会の会社補助が手厚く、配当を含めると年間でそれなりの額が入ってくる。
引用:openwork|年収・給与制度| 営業、在籍3年未満、現職、男性
阪和興業の職群別年収イメージは下記の通りですので、ぜひ参考にしてください。
役職(グレード) | 年収イメージ | 年次イメージ |
---|---|---|
総合職B(1~3年目) | 400~500万円 | 1~3年目 |
総合職A(11年目) | 500~1,200円 | 4~11年目 |
マネジメント職(課長クラス) | 1,200~1,500万円 | 12~20年目 |
上級マネジメント職(部長クラス) | 1,500万円以上 | 20年目以上 |
阪和興業の年代別の年収
openworkによれば、阪和興業の年代・年齢別の年収は以下の通りです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
25歳 | 493万円 |
30歳 | 700万円 |
35歳 | 958万円 |
40歳 | 1055万円 |
会社・個人の業績にもよりますが、順当に昇格すれば40歳には年収1000万円を突破できる可能性が高いといえそうです。
阪和興業の残業代
阪和興業の残業代は、月収や年収、雇用形態などによって異なります。
残業代は1分単位で支給されるので、残業の多さに比例して給与水準はあがる。一般職としては高水準の給料だと思う。
引用:openwork|年収・給与制度|一般職、在籍5〜10年、現職、女性
残業代は、自分が付け忘れることがなければ必ず付与された。
引用:openwork|年収・給与制度|営業、在籍3年未満、退社済み、男性
なお管理職に就くと、残業代はつかなくなります。
課長資格を持つと残業代がつかない為、数年は年収が下がることになる。
引用:openwork|年収・給与制度|営業、在籍15~20年、現職、男性
阪和興業の賞与(ボーナス)
阪和興業株式会社の賞与(ボーナス)は、年2回(6月と12月)支給されます。
支給額は業績や個人の成績によって変動しますが、一般的には年間で基本給の約5ヶ月分とされています。
ただし、業績が特に良い年には、年間で10〜12ヶ月分の賞与が支給されることもあるようです。
また、賞与の金額は所属する部署の業績や個人の評価によっても影響を受けるため、部署間で差が生じることがあります。
賞与:半期ごとの評価。個人で目標が設定され達成度に応じて5段階で評価。若い年次ではあまり差が出ない。
引用:openwork|年収・給与制度|営業、在籍3~5年、現職、男性
賞与は年2回だが、別途特別賞与が支給される場合がある。
引用:openwork|年収・給与制度|事務、在籍3~5年、退社済み、男性
賞与は期によっては業績ボーナスもつき、良い方だと思います。
引用:openwork|年収・給与制度|事務、在籍3年未満、現職、女性
ボーナス支給は年2回あり、この支給額は個人成績次第で跳ね上がることもあるのでやりがいを感じた。
引用:openwork|年収・給与制度|事務、在籍5~10年、現職、男性
阪和興業の働き方|残業時間・離職率・福利厚生は?
この章では、阪和興業の残業時間、福利厚生などの基本情報を紹介します。
阪和興業の残業時間
阪和興業の一人あたりの年間労働時間は1,986時間、平均残業時間は、一月あたり25.8時間でした。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によれば、2024年度の正社員の平均残業時間は13.9時間となっています。
全国平均と比べると、阪和興業の労働時間はやや長いといえるでしょう。
従業員のワークライフバランス向上に向けて、年間総労働時間を1,900時間まで削減することを目標とし、長時間労働是正に取り組むことを発表しています。
傾向としては確実に良くなってきています。まず昨年の人事方針変更により残業時間を全社的に減らす動きになっており、かつ勤怠システムの設定上もサービス残業がしにくい体制になっています(ほぼ無くなったのでは?)
引用:openwork|年収・給与制度|営業、在籍10〜15年、現職、男性
残業は以前は常時45時間を超えていたが、昨今は厳しくなり45時間を超えるようなケースは人事部がアラートを出しているらしい。
引用:openwork|年収・給与制度|管理部門、在籍3~5年、現職、女性
阪和興業の離職率・平均勤続年数
阪和興業の「有価証券報告書」によれば、離職率・平均勤続年数は以下の通りです。
自己都合退職率(自分の意志で退職する割合)は2022年度からやや上昇傾向にあります。
年度 | 離職率 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
2021年度 | 4.3% | 13.1年 |
2022年度 | 4.8% | 13.1年 |
2023年度 | 5.0% | 12.6年 |
阪和興業の福利厚生
阪和興業は、社員の多様なライフスタイルやキャリアを支援するための福利厚生も充実しています。
2020年度からは、「ハタラクエール」を毎年受賞しています。
さらに阪和興業は、認証された「福利厚生推進法人」として表彰を受けており、福利厚生が幅広いのも魅力といえます。
以下に福利厚生の一例を挙げますので、ぜひ参考にしてください。
福利厚生 | 内容 |
---|---|
育児休業 | 子供が3歳の3月末まで取得可能 |
育児時間短縮勤務 | 子供が小学校3年生の終了時期まで利用可能 |
介護休業 | 通算372日取得可能 |
有給休暇 | 2020年より時間単位での取得が可能 |
出産祝金 | 1人目5万円、2人目20万円、3人目50万円 |
独身寮 | 東京(住吉寮、月島荘)、大阪(東三国寮)、名古屋(千種寮)に完備 |
ベネフィット・ステーション | レジャー、旅行、グルメ、ショッピングなどでお得に利用できる福利厚生サービスを全社員が利用可能 |
阪和興業のキャリアパス
阪和興業では、入社後半年で海外市場の開拓や、2年目で5億円規模のプロジェクトを任されるなど、若いうちから大きなプロジェクトに挑戦できる機会があります。
新入社員の場合、入社時研修までに配属希望書を提出し、最終的に本人の適性・希望と各部署からの要望を考慮して配属が決定されます。
入社後は、年1回の自己申告書で異動希望等を調査しますが、総合職として経験を積んだ後には、管理職への昇進の可能性があります。
社員のキャリアアップを支援する制度として、以下のようなものがあります。
概要 | |
---|---|
入社前・入社後の研修 | 阪和興業の社員として必要な基礎知識を身に着けるために、内定後は簿記と英語の試験を受ける。 入社後、総合職、一般職全ての新入社員を対象に、社会人としての基礎知識習得を目的として新入社員研修を実施。入社後は入社年次、職群に応じた研修プログラムが組まれている。 |
海外研修制度 | 海外トレーニー制度、語学留学制度あり。 多くの社員の方に海外経験を積んでいただくために、運用が拡大されている。 |
公式サイトに、配属・教育研修について詳しい情報がまとめられていますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
阪和興業はどんな会社?|年収が高い理由・今後の展望も解説
ここでは、阪和興業の事業やサービス内容について改めて紹介します。
阪和興業の主な事業・サービス内容
阪和興業株式会社は、1947年に設立された、日本有数の独立系総合商社です。
代表取締役社長は中川 洋一氏が務めており、大阪本社は大阪市中央区、東京本社は東京都中央区築地に置かれています。
概要 | |
---|---|
会社名 | 阪和興業株式会社 |
英語名 | Hanwa Co., Ltd. |
資本金 | 456億5127万6790円 |
本社所在地 | 大阪本社:大阪市中央区伏見町4-3-9 HK淀屋橋ガーデンアベニュー 東京本社:東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア |
鉄鋼を中心に多岐にわたる事業を展開し、業界内で確固たる地位を築いています。
- 鉄鋼事業
- リサイクルメタル・プライマリーメタル事業
- 食品事業
- エネルギー・生活資材事業
- 木材事業
- 機械事業
阪和興業の年収が高い理由
阪和興業の年収が高い理由として、安定的な収益を上げていることが挙げられます。
自己資本比率が高く、財務体質が安定していることも強みです。
阪和興業は、鉄鋼事業が主力ですが、食品やエネルギーなど異なる業界にも展開することで、不況時のリスクを分散しています。
また、大手総合商社とは異なり、独立系商社として機動力のある経営を実施しており、顧客のニーズに柔軟かつ迅速に対応できるのも大きな強みです。
メーカーや顧客の間で中立的な立場を維持しやすく、多方面との取引が可能となっています。
さらに、鉄鋼専門商社として長年の経験とネットワークを活かし、大手製鉄メーカーや海外市場と密接に連携し、日本国内だけでなく、アジア、欧州、北米など世界中に販売網を持っています。
特に、成長市場である東南アジアや中国市場への販売を強化し、為替リスクを分散することで、特定の地域経済に依存しない経営を実現しています。
このような強みから阪和興業は着実に収益を生み出し、それを社員に還元しているので、社員は高い年収と安定的な生活を実現しているようです。
阪和興業の今後の展望
阪和興業は、2023年に発表した中期経営計画において、今後の成長戦略を描いています。
重点施策は以下の通りです。
重点施策 | 具体的な取り組み |
---|---|
鉄鋼事業 | 阪和独自のサプライチェーンによって、ユーザーのトータルコストダウンに貢献する。ユーザーの望むカタチで商材を供給することで、ユーザー自身の業績向上に寄与する |
プライマリーメタル事業 | 鉄鋼メーカー、非鉄金属メーカー等への安定供給の為に「出資を通じた資源の確保」×「需要地における在庫/即納機能」 |
電動化グローバルグループ発足 | 2021年4月に発足した電池チームの更なる拡大/深化に伴い、”グローバル”体制に刷新偏在する電池資源の確保を更に推し進め、需要家と関連産業全体の発展に貢献する |
リサイクルメタル事業 | リサイクル・トランスフォーメーションを推進し、既存の回収・加工拠点を軸に日本最大規模の金属リサイクル事業へ |
食品事業 | 原料~加工までを手掛ける垂直統合型ビジネスを構築しエンドユーザーから選ばれる商社へ |
エネルギー・生活資材事業 | バイオマスエネルギー・リサイクルエネルギー・タイヤリサイクル・その他のエネルギー |
木材事業 | 「木材版そこか+施工」(川下(住宅メーカー)を起点とした供給網(そこか)の構築+施工) |
機械事業 | ライフ・アミューズメント部/ハローズ:「レジャー施設部」から「ライフ・アミューズメント部」へ名称変更。子会社の「ハローズ」とともに、事業コンセプトの見直しを通じて、新規商材・マーケットを創造し、新たな総合アミューズメント事業を展開 |
海外販売子会社事業 | 「第二の阪和を東南アジアに」を推進し、ASEANでのプレゼンスを一段と向上させるとともに、グローバル拠点のさらなる拡大を進めていく |
海外販売子会社事業 | 前中期経営計画期間において、ASEAN子会社全体で年間鉄鋼販売重量300万トンに迫る戦略的重要拠点に成長 |
これらの取り組みにより、阪和興業は企業価値をさらに高め、今後も発展を続けていくものと考えられます。
まとめ
本記事では、有価証券報告書や口コミをもとに阪和興業の年収について紹介しました。
阪和興業の平均年収は、2023年度時点で約849万円となっており、全国民の平均460万円と比べて高い結果となっています。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2024年度 | 849万円 | 37.8歳 |
2023年度 | 885万円 | 38.2歳 |
2022年度 | 842万円 | 38.4歳 |
2021年度 | 798万円 | 38.2歳 |
2020年度 | 829万円 | 37.1歳 |
阪和興業では会社業績が給与に反映され、収益を上げるほど年収が上がっていくものと考えられます。
平均よりも高い水準の年収を目指している方や、独立系総合商社ならではの強みを生かした挑戦をして自己成長していきたいと考える方に向いている企業といえるでしょう。
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