コンサルタントは市場価値が高く、転職するにもさまざまな選択肢があります。
しかし、転職先選びに失敗してしまうと、今よりも待遇や職場環境が悪くなる可能性があるので注意が必要です。
コンサルタントが転職に成功するには、どのような転職先があるのか理解を深めることがポイントです。
本記事では、コンサルタントにおすすめの転職先を9選紹介します。

コンサルタントの転職事情や成功させるためのポイントも解説するので、転職の失敗を防ぐための参考にしてください。
コンサルタントにおすすめの転職先9選
まずは、コンサルタントにおすすめの転職先を9選紹介します。
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自分にマッチする転職先はあるかチェックしてみましょう。
外資系企業
グローバルな環境で活躍したい方は、外資系企業への転職を検討してはいかがでしょうか。
外資系企業とは、海外企業の日本支社や子会社(日本法人)、海外企業と日本企業の共同出資の会社を指します。
日系企業は組織を重んじるのに対し、外資系企業は個人を重んじる点が特徴です。



年功序列よりも成果主義の傾向があるため、若くして高年収を目指す方や、実力を正当に評価して欲しい方に向いています。
給与や待遇面が良い企業が多く、競争率が激しいので、転職するにはスキルや専門的な知識を明確に示すことが重要です。
大手日系企業
大手日系企業への転職なら、日本を代表する企業の変革に携わることが可能です。
以前までは、年功序列のある人事制度や新卒一括採用が中心でしたが、近年では中途採用にも積極的な企業が少なくありません。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が課題の企業が多く、DX化を推進できる人材を外部に求めていることが理由です。
大手日系企業は福利厚生が充実しているため、ワークライフバランスを維持したい方に向いています。



また、ネームバリューがある企業への転職は、社会的信用が大きくなり、次に転職する際のアピールに有効です。
M&A業界
金融業界でのキャリアアップを目指したいなら、M&A業界への転職を検討してみてください。
M&Aとは「Mergers(合併)」&「Acquisitions(買収)」の略で、企業の合併や買収を意味する言葉です。
M&A業界は、M&Aの仲介や支援をする業界を指します。
経済環境や社会環境の変化により、国内のM&Aは増加傾向にあります。
会社の売買における仲介業務をおこなうため、1つの案件における金額規模はかなり大きい点が特徴です。



給与水準も高い企業が多く、スケールの大きな仕事をしたい方や、高年収を得たい方に向いています。
IT企業
IT業界は大きくわけると、以下の3つのカテゴリに分類されます。
ソフトウェア業界 | Webサイトやアプリケーションなどの開発 |
ハードウェア業界 | コンピューターや周辺機器(モニターやマウス)の開発 |
情報処理サービス(SI)業界 | 企業向けの情報システムや、Webサイト上で利用されるサービスを企画提案・運用 |
IT企業でもコンサルタントの需要は高いため、これまでの経験が活かせるでしょう。
また、近年のDX化に伴い、システムエンジニアに転職するコンサルタントの方も少なくありません。
企業はDX化推進のための人材リソースが不足しており、エンジニア需要が高まっています。
エンジニアに転職すると、社会に役立つ新しい製品を作ることが可能です。



サービスを形にするという具体的な成果は、コンサルタントでは味わえない魅力といえます。
PEファンド・ベンチャーキャピタル
コンサルタントのスキルを活かしたいなら、PEファンド・ベンチャーキャピタルへの転職を検討しましょう。
PEファンドとは「プライベート・エクイティ・ファンド」を省略した言葉です。
複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を、未上場企業や非公開化した上場企業に投資するファンドを指します。
ベンチャーキャピタルとは、成長段階にある新興企業やベンチャー企業に対して出資する組織です。
ベンチャー企業に株式を取得し、将来的に企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドを指します。
経営戦略や事業改善などのスキルが大きく役立つため、転職先として選ぶコンサルタントの方が少なくありません。
PEファンド・ベンチャーキャピタルは、投資スタイルやチーム構成などが企業によって異なります。



各社の特徴を十分に比較検討したうえで、自身の考えやスキルとマッチする企業を選ぶことが重要です。
コンサルティングファーム
コンサルから他のコンサルティングファームへの転職は、最も成功確率の高い転職のパターンです。
コンサル業界では新卒採用も実施していますが、社外の専門家を中途採用にて獲得するケースが増えています。
即戦力人材のニーズは非常に高まっているため、転職によって収入アップを目指せるでしょう。
また、コンサル経験があれば、ITコンサルからマーケコンサル、リスクコンサルなど、領域をチェンジしやすいのも強みです。



専門的な職務経験を積んでいくことで、将来自分でコンサルファームを立ち上げるといったキャリアパスも開けるでしょう。
ベンチャー・スタートアップ企業
ベンチャー・スタートアップ企業への転職なら、早期にマネジメントポジションを目指せるでしょう。
独自の技術やサービスで成長を目指すベンチャー企業は、まだ世の中にはない新しい事業の運営に当事者として関わることができます。
スタートアップ企業への転職では、仕組みづくりに携われる機会が少なくありません。
よって、ワークフローや作業プロセスをゼロから組み立てられる実感を持てるでしょう。
また、ベンチャー・スタートアップ企業なら経営に近いところに携われるケースが多く、経営スキルやノウハウが身に付きます。



経営者視点を身につけることで、コンサルタントとしてのキャリア形成に役立つでしょう。
メーカー業界
コンサルタントの経験は転職市場で高く評価されており、メーカー業界でも求められています。
メーカー業界では、問題解決能力や高度な分析スキルなどのコンサル時代に養った経験が役立ちます。
メーカー業界に転職した場合、経営企画や事業推進を担当するコンサル出身者が少なくありません。
また、一定の実績や経験を積んだ後に、取締役や執行役員といった経営幹部ポジションに昇格する方も多くいます。



コンサルは短期間で結果を出すスピード感が求められますが、メーカー業界は計画性と継続性が重視される点が特徴です。
製品開発や製造といった長期的な視点で業務が進むことが多いため、働き方や文化は大きく異なるでしょう。
事業会社
コンサルタントから事業会社への転職は、コンサルタントファームでは味わえないメリットが多くあります。
一般的にコンサルタントは、クライアント企業の課題解決が仕事です。
実際の商品を企画、製造する過程の経験は、事業会社ならではの経験であり、コンサルタントでは味わえません。
事業会社へ転職することで、自ら意思決定ができたり、当事者として事業に中長期で取り組めたりするなどのメリットがあります。
会社の方向性に関わる重要な意思決定に直接関与できることは、大きなやりがいにつながるでしょう。
しかし、現場の実務や運営に関わるスキルが重視される企業では、コンサルのスキルや経験を十分に発揮できない可能性があります。



ポジションが落ちることもあるため、自分の強みを活かせる企業選びが大切です。
コンサルタントの転職事情とは?
コンサルティング業界の平均勤続年数は「3〜6年」といわれており、離職率の高い業界です。
激務やストレスで退職をする方もいますが、次のキャリアに向けて自主退職する方も少なくありません。
これまでとは異なるテーマのプロジェクトを経験したいという向上心を持つ方もいれば、独立して起業を考える方もいます。
コンサルタントの転職先としては、以前まで外資系の投資銀行やPEファンドが選ばれる傾向にありました。



近年では、事業会社やスタートアップへの転職が増加しており、裁量の大きなポジションを目指す方が増えています。
コンサル転職を成功させるための4つのポイント
ここからは、コンサル転職で成功させるための4つのポイントを紹介します。
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転職の目的を明確化する
転職に成功するには「なぜ転職が必要なのか」「なぜ転職を希望するのか」を明確にしましょう。
目的が定まっていない場合、何を基準に転職先を選べば良いのか迷いが生じます。
また、現職の不満解消だけを目的にすると、転職先で別の不満を抱えてしまい、転職を繰り返すことになりかねません。
転職の目的を明確にするには、現職の何を解消し、どうなりたいのか言語化しましょう。



業務内容や収入面、福利厚生など、自分にとって何が重要なのかを考え、優先順位をつけることがポイントです。
人脈を活用する
コンサルの転職では、リファラル採用で転職を成功させるケースが珍しくありません。
リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法です。
人脈が広いほどリファラル採用として紹介してもらえる機会が増えるため、人脈は転職成功のために活用できます。
人脈を活用するには、退職者やOB・OGなどと継続的に接点を持つことが大切です。
また友人や知人を増やすために、SNS・転職エージェントを活用するのも手段のひとつです。
若いときから転職の準備を始める
異業種への転職を希望しているなら、できる限り若いうちに始めたほうが転職に成功しやすくなります。
コンサル経験者は多くの企業から求められるため、20代〜30代前半であればさまざまな選択肢があるでしょう。
若いほど良いというわけでもなく、20代でもスキルは求められるため、最低3年以上のコンサル経験は必要と考えられます。



コンサルからコンサルへ転職する場合は、スキルや経験がより重視されるので、年齢が採用の決め手にはならないでしょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用すると、担当者がつき、以下のサポートを無料でおこなってくれます。
- 非公開求人の紹介
- 条件に合う求人の選定
- キャリア相談
- 応募書類の添削・面接対策
- 面接日程の調整
- 入社後の条件交渉
他にも、企業の詳細な情報を教えてもらえるため、転職後のミスマッチを防げるでしょう。
コンサル転職に成功するには、コンサル業界に特化した転職エージェントを選ぶことがポイントです。
業界に特化したエージェントなら、コンサルに対する深い理解や知見があるため、具体的で役立つアドバイスをもらえるでしょう。



おすすめの転職エージェントは次で紹介します。
コンサルタントにおすすめの転職エージェント3選
ここからは、コンサルタントにおすすめの転職エージェントを3選紹介します。
各サービスの特徴を理解し、転職エージェント選びの参考にしてください。
Myvision


- 業界随一の支援実績を持つ
- 数多くのコンサルファームと強固なコネクションがある
- 独自の選考対策で実践力が鍛えられる
Myvisionは、多くのコンサルファーム出身者が在籍する、コンサル特化の転職エージェントです。
累計支援実績は1,000名以上にのぼり、業界随一の支援実績を持ちます。
数多くのコンサルファームと強固なコネクションがあるため、さまざまなコンサルファームへの紹介が可能です。
独自の選考対策では、元コンサルタントを仮想面接官とした模擬面接などを用意しており、実践力を鍛えることができるでしょう。
概要 | |
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サービス名 | MyVision |
運営会社 | 株式会社MyVision |
求人数 | 非公開 |
対応地域 | 非公開 |
公式サイト | https://my-vision.co.jp/ |
ビズリーチ


- 市場価値を図れる
- さまざまな選択肢を用意
- 高年収の求人が多い
ビズリーチは、言わずと知れたハイクラス転職に特化した転職サービスです。
登録するだけでスカウトが届くため、市場価値を図るために利用する方も少なくありません。
「コンサルタント」を含む求人数は35,945件(※2025年4月時点)と多く、経験を活かせる求人を豊富に保有しています。
スキルや経験にマッチした企業からスカウトが届き、幅広い選択肢のなかから転職先を探せます。
年収1,000万円以上の求人も多く取り扱っているので、高年収を目指した転職も可能です。
概要 | |
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サービス名 | ビズリーチ |
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
求人数 | 150,030件 |
対応地域 | 全国 |
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ |
アクシスコンサルティング


- コンサルトから高い支持を得ている
- 企業の深いところまで理解している
- 転職の次まで考えたキャリアパスの提案
アクシスコンサルタントは、国内最大級のコンサルタント転職支援実績を持つ転職エージェントです。
大手コンサルティングファームに在籍する、現役コンサルタントの4人に1人が登録しており、高い支持を得ています。
コンサル業界に特化しているため、業界への深い理解と知識がある点が特徴です。
情報の精度が高く、企業の深いところまで理解しているので、通過率アップに役立つアドバイスをもらえるでしょう。
「生涯のキャリアパートナー」を信念にしており、転職の次まで考えたキャリアパスを提案してくれる点も魅力です。
概要 | |
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サービス名 | アクシスコンサルタント |
運営会社 | アクシスコンサルティング株式会社 |
求人数 | 全体の約78%は非公開求人 |
対応地域 | 首都圏、関西、東海、 九州 |
公式サイト | https://www.axc.ne.jp/ |
コンサル転職の際に注意するべき点とは?
続いては、コンサル転職の際に注意するべき点を紹介します。
以下の点に注意することで、転職の失敗を防げるでしょう。
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年収が下がる可能性がある
専門的なスキルや知識が必要なコンサルタントは、他の業界よりも高年収の傾向があります。
よって、転職によって年収が下がることが珍しくありません。
特に事業会社に転職する場合は、年収が下がるケースがほとんどです。
もちろん、ワークライフバランスや好きな業界に挑戦したいなら問題はありません。



しかし、年収面に重きを置く方は大幅なダウンも考えられるので、転職先の待遇面は入念にチェックしましょう。
知識やスキルを身につける必要がある
異業種へ挑戦する場合、当然ながら新しい知識やスキルを身に付ける必要があります。
コンサルからコンサルへの転職でも、求められる知識やスキルが異なるケースもあるので注意してください。
希望する転職先で必要な知識を早い段階で知っておけば、スキルを磨いたうえで挑戦することができます。
また、事業会社への転職では、異なるルール・習慣があるため戸惑うこともあるでしょう。



どの企業でも独自のルールがあるため、自分にマッチしているのか企業調査することが重要です。
年齢によって転職先の選択に幅がある
転職市場では、20~30代前半の若手人材が求められるケースが少なくありません。
採用側は採用するなら長く働いて欲しいと考えており、長期的な教育・研修を視野に採用を決めています。
特に異業種へ挑戦する場合は、若いほど採用率が高くなります。
30代後半以降でもコンサルから異業種へ挑戦できますが、選択肢は限られてしまうでしょう。



とはいえ、ポストコンサルは転職市場でも需要が高いので、アピール次第で転職に成功する可能性は十分あります。
異動や転勤の可能性もある
コンサルティングファームは基本的に異動や転勤がないため、専門性を磨き、キャリアを伸ばしていける環境です。
しかし、全国に支社がある企業に転職した場合は、異動や転勤になる可能性があることを覚悟しておきましょう。
企業によっては数年単位で転勤を言い渡されることもあるため、自分だけでなく家族にも影響があります。
また、自分が希望しない部署や事業部への異動もあり得るので、一貫したキャリア形成をしたい方はよく検討しましょう。
コンサルタントの転職先についてよくある質問
最後に、コンサルタントの転職先についてよくある質問を紹介します。
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コンサルから転職すると年収は下がりますか?
コンサルからの転職で年収が下がるかは、転職先によって異なります。
現状で高年収を得ている場合、事業会社やスタートアップ企業へ転職すると年収が下がる可能性が高いでしょう。



しかし、コンサルの経験を活かせる他のコンサルファームやM&A業界であれば、年収アップを目指せます。
コンサルの転職先としてメーカー企業はおすすめですか?
メーカー企業に転職する場合、コンサル業界で培われた問題解決能力や高度な分析スキルが役立ちます。
また、プレゼンテーション力やコミュニケーション能力も、重要な価値を発揮するでしょう。
メーカー業界は、コンサル業界と比較して長期的な視野で物事を捉える傾向があります。
よって、転職すると職場環境や業務内容にギャップを感じることがあるでしょう。
とはいえ、メーカー業界は雇用環境が安定しており、新たなチャレンジの機会が豊富に用意されています。



自らの強みを活かしつつ新たな領域へ挑戦できる環境ともいえるため、人によってはおすすめできる転職先です。
コンサルは何年で辞める人が多いですか?
コンサルティング業界の平均勤続年数は「3〜6年」といわれています。
反対に5年以上働き続ける方は、全体の2〜3割程度です。
戦略コンサルにおすすめの転職先は?
戦略コンサルにおすすめの転職先は、PEファンド、投資銀行です。
PEファンドは、ある程度長期間で企業経営に携われることや、Exitなど目に見える結果がある点が魅力です。
投資銀行は、高い給与水準が期待できること、M&A支援などに携われるなどの理由で戦略コンサルタントに人気があります。
まとめ:コンサルタントから転職する際は自分に合った転職先を選ぼう!
コンサルタントにおすすめの転職先や成功させるポイントを紹介しました。
コンサルタントやポストコンサルは、高い専門性や知識から転職市場における需要が高い点が特徴です。
コンサル転職に成功するには、転職の目的を明確にし、なるべく早い段階から転職活動を始めることをおすすめします。
転職によって、年収ダウンや異動・転勤の可能性があるため、決断は慎重におこないましょう。



転職エージェントはキャリア相談にも対応しているので、迷いが悩みがあるならプロへの相談を検討してみてください。
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