ベイカレント(旧ベイカレント・コンサルティング)は、日系の独立ファームであり、近年急激に規模を拡大しています。
若い世代から高水準の年収を達成できることもあり、入社を希望する方が少なくありません。
本記事ではベイカレントの平均年収や、年代・職種別の年収・残業時間・福利厚生について解説します。
働き方や基本情報なども紹介するので、ベイカレントの入社を希望している方はぜひ参考にしてください。
本記事の要点はこちら
- ベイカレント(旧ベイカレントコンサルティング)の平均年収は?
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ベイカレント(旧ベイカレントコンサルティング)は、有価証券報告書にて平均年収を公開しています。
2021〜2023年度の平均年収は以下の通りです。
年度 平均年収 平均年齢 2023年度 1,074万円 31.4歳 2022年度 1,118万円 32.1歳 2021年度 1,107万円 32.6歳 引用:ベイカレント|有価証券報告書 近年の平均年収はすべて1,000万円以上となっており、年収水準が極めて高いことがわかります。
- ベイカレント(旧ベイカレントコンサルティング)の年代別年収は?
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openworkの情報によると、ベイカレントの年代別年収は以下の通りです。
年齢 平均年収 25歳 627万円 30歳 901万円 35歳 1,128万円 40歳 1,330万円 45歳 1,511万円 引用:openwork|ベイカレント|年代別年収 - ベイカレントの中途採用率は?
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ベイカレントは中途採用率についてのデータを公表していません。(2025年3月時点)
「就活会議」の情報では、ベイカレントの採用倍率は「3.6倍」となっています。
倍率は高いものの、有価証券報告書において新卒採用・中途採用ともに積極的に実施していると記載があるため、入社のチャンスは十分にあるといえます。
ベイカレント(旧ベイカレント・コンサルティング)の平均年収は1,074万円
ベイカレント(旧ベイカレント・コンサルティング)は、有価証券報告書にて平均年収を公開しています。
2021〜2023年度の平均年収は以下の通りです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2023年度 | 1,074万円 | 31.4歳 |
2022年度 | 1,118万円 | 32.1歳 |
2021年度 | 1,107万円 | 32.6歳 |
また、国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」の全給与所得者の平均年収と、ベイカレントを比較した結果は以下の通りです。
年度 | ベイカレントの平均年収 | 全給与所得者の平均年収 |
---|---|---|
2023年度 | 1,074万円 | 460万円 |
2022年度 | 1,118万円 | 458万円 |
2021年度 | 1,107万円 | 443万円 |
引用:ベイカレント|有価証券報告書
全給与所得者の平均年収と比較すると、ベイカレントの平均年収は2倍以上高いことがわかります。
ベイカレントと他社の年収を比較
ここでは、ベイカレントと他社の年収を比較して紹介します。
企業名 | 平均年収 | 引用元 |
---|---|---|
ベイカレント | 約1,074万円 | 23年度有価証券報告書 |
PwCコンサルティング | 約972万円 | openwork|PwCコンサルティング|平均年収 |
ドリームインキュベータ(DI) | 約1,275万円 | 23年度有価証券報告書 |
フロンティア・マネジメント(FMI) | 約1,269万円 | 23年度有価証券報告書 |
ビジョン・コンサルティング | 約677万円 | openwork|ビジョン・コンサルティング|平均年収 |
三菱総合研究所(MRI) | 約1,108万円 | 23年度有価証券報告書 |
シグマクシス | 約1,134万円 | 23年度有価証券報告書 |
シンプレクス | 約929万円 | 23年度有価証券報告書 |
山田コンサルティンググループ(YCG) | 約911万円 | 23年度有価証券報告書 |
大和総研 | 約733万円 | openwork|大和総研|平均年収 |
フューチャー | 約799万円 | 23年度有価証券報告書 |
船井総合研究所 | 約670万円 | 23年度有価証券報告書 |
他社と比較しても、ベイカレントの年収は業界トップクラスの水準であることがわかります。
ベイカレント(旧ベイカレント・コンサルティング)の給与体系|年代別・役職別の年収は?
ここでは、ベイカレントの年収がどのように決まるのかを紹介します。
ベイカレントの給与制度は、基本給と賞与にわかれており、賞与は給与の約2ヶ月分です。
ベイカレントの年収= 基本給 + 残業代 + 賞与(年2回)
年俸制なので、年俸を14で割った数が月給になるシステムを採用しており、賞与は評価や稼働率が影響するようです。
基本的には年俸を14で割って、それが月給×12と賞与×2にあてられる。賞与はプロジェクトの評価や稼働率によって多少変動する。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3年未満、男性
また、年功序列で昇進するのではなく、完全実力主義の評価制度なので以下の口コミのように毎年200万円の年収アップを実現する方もいます。
毎年200万ずつ昇給してる。身近な人で、600→800→1000→1200→1400→1600→1800という方もいた。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3年未満、男性
給与決定は完全実力主義。成果を出す社員には若くてもいい給料を出す。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3年未満、男性
ベイカレントの役職別の年収
ベイカレントは、以下の役職をもとに年収が決定されます。
- アナリスト
- コンサルタント
- シニアコンサルタント
- マネージャー(OR エキスパート)
- シニアマネージャー(OR シニアエキスパート)
- パートナー(OR チーフエキスパート)
- エグゼクティブパートナー
続いては、ビジョン・コンサルティングの役職別の年収を見ていきましょう。
役職別の年収イメージは、以下の表を参考にしてください。
役職(グレード) | 年収イメージ | 年次イメージ |
---|---|---|
アナリスト | 500~650万円 | 1~3年目 |
コンサルタント | 700~1,000万円 | 3~7年目 |
シニアコンサルタント | 1,000~1,200万円 | 6~10年目 |
マネージャー | 1,200~1,400万円 | 10~15年目 |
シニアマネージャー | 1,300~1,600万円 | 15~20年目 |
パートナー | 2,000万円~ | 20年目~ |
エグゼクティブパートナー | 数億円~ | 実力次第 |
ベイカレントで年収1,000万円を突破するのは、シニアコンサルタント以降の役職が目安です。
ベイカレントは業界のなかでも給与水準が高く、openworkの口コミでは、年収に満足している意見が目立ちました。
役職で給与テーブル(幅)が一定決まっている。他総合ファームと比較すると給与水準は比較的高い印象。役職が上がらない場合の昇級幅も最大100万円程度あるため、給与で不満を感じたことは一度もない。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルティング本部、在籍5~10年、男性
役職が上がらない場合でも100万円程度の昇給幅があるのも、ベイカレントの給与に満足している方が多い理由といえます。
ベイカレントの年代別の年収
openworkの情報によると、ベイカレントの年代別年収は以下の通りです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
25歳 | 627万円 |
30歳 | 901万円 |
35歳 | 1,128万円 |
40歳 | 1,330万円 |
45歳 | 1,511万円 |
ベイカレントで働く多くの方が、30~35歳の間に年収1,000万円に到達することがわかりました。
しかし、昇進までのスピードや稼働率によって年収は変わるため、あくまでも目安として捉えてください。
ベイカレントの残業代
ベイカレントの残業代は、アナリストクラスのみ別途支給されます。
コンサルタント以上は「みなし残業制」となっているため、給与に45時間分の固定残業代が含まれています。
45時間以上働いた場合は残業代が支払われますが、超えないように管理を徹底しています。
アナリストクラスは残業代は別途支給。コンサルタント以上になると固定残業代が支給される形になる。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3年未満、男性
見込み残業代として45時間/月分が含まれており、45時間を超えた場合には残業代が出るが、基本的に厳しい稼働管理をされているため、残業代は出ないと考えた方が吉。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3年未満、男性
ベイカレントの賞与(ボーナス)
ベイカレントの賞与は6月と12月の年2回支給されます。
年俸制を採用しているため、定時年俸÷14が1回分の賞与額であり、1ヶ月分の給与と同じ額が支給されるようです。
しかし、以下の口コミの通り、賞与は個人の実績によって若干の増減があるとのことです。
年に2回、1ヶ月の給与と同等の額の賞与が支給される。賞与は各人の実績により、上記の額をベースに±10%程度の増減がある。ただしプラスにもマイナスにも振れることは少ない。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍5〜10年、男性
提示年俸を14分割し、その12か月分が月給、2か月分が賞与(6月、12月)である。賞与はきちんとパフォームしていれば、+20%を限度に個人業績がプラスされる。なので、仮に1400万円が提示年俸だとすれば、1400万円/14=100万円(月給)100万円×120%=120万円(賞与1回分でこれが6月、12月の計2回支給)となり、実質パフォームしていれば、年俸は100万円×12か月+120万円×2回=1440万円というところか。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルティング本部、在籍3〜5年、男性
ベイカレントの初任給
ベイカレントの初任給は、公式サイトにある採用情報「新卒募集要項2026」で職種別に紹介しています。
募集職種 | 想定年収 | 初任給 |
---|---|---|
コンサルタント職 | 600万円 | 約42.9万円 |
システムコンサルタント職 | 500万円 | 約35.7万円 |
コンサルタントサポート職 | – | 30万円 |
事務職 | – | 22.5万円 |
コンサルタント職とシステムコンサルタント職の初任給に関しては、想定年収を14分割した数を記載しています。
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、大卒の新規学卒者の初任給の平均は約24万円です。
そのため、ベイカレントの初任給は事務職を除いて、大幅に高いことがわかります。
openworkの口コミでも、新卒時の給与に満足している意見がありました。
自分の新卒時点(2022年)の年収は500万円であり、今時点(2024年ではさらに100万円アップの600万円となっている。新卒社員が受ける待遇としては破格の待遇であると思われる。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルティング本部、在籍3年未満、男性
ベイカレントの一般職の年収
ベイカレントの一般職の年収は、前述した初任給で計算すると以下の通りです。
ベイカレントの一般職の年収= 22.5×14(12ヶ月 + 賞与【年2回】)=315万円
上記の年収に残業代が含まれます。
また、openworkの口コミでは、事務職の方が年収「320万円」と回答していたため、一般職の年収は「315~330万」ほどだと想定されます。
ベイカレントは男女で年収差はある?
男女で年収差があるかどうかは、2025年2月時点では情報が公開されていません。
openworkの口コミによると、ベイカレントで働く女性は1割程度で、男性社会の毛色が強い風土があるようです。
しかし、働く分には男女の違いを感じないといった意見もありました。
普通に働く分は男女の違いをそれほど感じない。
引用:openwork|女性の働きやすさ|コンサルタント、在籍5〜10年、女性
また、ベイカレントはセクシャルハラスメント対策を徹底しているため、ハラスメントの観点からは女性が働きやすい環境といえます。
かなり厳しいセクハラ禁止ルールが存在しており、女性の方も安心して働ける会社だとは思う。
引用:openwork|女性の働きやすさ|コンサルタント、在籍15〜20年、男性
ベイカレントの働き方|残業時間・離職率・福利厚生は?
ここでは、ベイカレントの残業時間や離職率、福利厚生を紹介します。
ベイカレントの残業時間
ベイカレントの公式サイトによると、2024年2月期の月間平均残業時間は「22時間」と発表しています。
コンサルティング業界の平均残業時間は40時間と言われているため、業界のなかでは極めて残業時間が少ないことがわかります。
残業数の削減を実現できたのは、ベイカレントの徹底した残業管理が理由です。
スタッフレベルでは、過剰なまでに残業管理をされるため、ホワイトだと感じる。
引用:openwork|ワーク・ライフ・バランス|マネージャー、在籍5〜10年、男性
会社の方針として残業を抑制しようとする姿勢が強く感じられるため、ハードな働き方を求められるプロジェクトは少ないのではないかと考えています。残業時間の上限は月45時間の制約があり、それ以上残業したい場合はアカウント担当に承認を貰う必要があり、特別な事情がない限りは45時間以上残業しないように制限がかかります。
引用:openwork|ワーク・ライフ・バランス|コンサルティング本部、在籍3〜5年、男性
ベイカレントは激務なイメージがあるため、残業時間の長さから「ブラックでやばい会社」と認識している方もいるかもしれません。
しかし、口コミのように現在は厳しい管理を行うことで、ワークライフバランスも保証されていることが伺えます。
ベイカレントの離職率・平均勤続年数
ベイカレントの離職率は公式では公表されていないものの、エン・ジャパンが運営する「AMBI」では「10%を切る」と紹介されていました。
コンサルティング業界は一般的に離職率が高く、おおむね20%と言われています。
業界の平均離職率と比較すると、ベイカレントの離職率は半分以下と低いことがわかります。
続いて、ベイカレントの平均勤続年数を見ていきましょう。
年度 | 平均勤続年数 |
---|---|
2020年度 | 3.9年 |
2021年度 | 3.8年 |
2022年度 | 3.5年 |
2023年度 | 3.2年 |
近年の平均勤続年数は「3〜4年」ほどになります。
コンサルティング業界の平均勤続年数は「3〜6年」なので、業界のなかでは平均的な年数といえるでしょう。
ベイカレントの福利厚生
ベイカレントでは、社員一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう、さまざまな福利厚生を用意しています。
ここでは、福利厚生の一部を紹介します。
福利厚生 | 内容 |
---|---|
時短勤務制度 | 小学校卒業の時期に達するまでの子育てをする社員を対象に実施 |
シックリーブ | 体調不良時の有給休暇 |
介護休暇、特別休暇 | 子の看護休暇や私傷病休暇など |
カフェテリアポイント | 毎年50,000円相当分付与 |
育児短時間勤務制度 | 子どもが中学校入学まで |
ベビーシッター費用補助 | ベビーシッター利用時の費用補助 |
資産形成 | ・従業員持株会制度・企業型確定拠出年金制度 |
キャリアサポート | ・社外研修受講補助・資格取得補助 |
ベイカレントは住宅補助などがないため、日系大企業に比べると福利厚生水準はやや劣りはしますが、コンサルティング業界では標準です。
また、福利厚生の一環として従業員持株会制度が導入されているのは、上場しているベイカレントだからこそといえます。
キャリアサポートにも力を入れており、会社に申請すれば年20万円程度まで自己研鑽用に補助金が出るのも魅力です。
ベイカレントのキャリアパス
ベイカレントは社員一人ひとりの適性や志向性を踏まえながら、段階的なキャリア形成を実現しています。
「コンサルタント」「システムコンサルタント」「プロデューサー」「コーポレート企画職」のすべてにキャリアパスを用意しており、徐々に難易度の高い役割を担う仕組みです。
コンサルタントのキャリアパスは以下の画像を参考にしてください。

ベイカレントはどんな会社?|年収が高い理由・今後の展望も解説
ここでは、ベイカレントの主な事業や年収が高い理由、今後の展望について解説します。
ベイカレントの主な事業・サービス内容
ベイカレントは幅広い事業領域のプロジェクトを取り扱っている、総合系コンサルティングファームです。
具体的には、IT領域や製造業、公共系、金融系などを取り扱っており、戦略立案からIT支援、オペレーションのマネジメントまで幅広く業務を展開しています。
日系の独立コンサルファームという点が、他コンサルティングファームともっとも異なる点であり、ベイカレントの特徴です。
代表取締役社長は阿部義之氏が務めており、本社は東京都港区麻布台に置かれています。
概要 | |
---|---|
会社名 | 株式会社ベイカレント |
英語名 | Baycurrent, Inc |
資本金 | 282百万円 |
本社所在地 | 東京都港区麻布台1丁目3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー |
ベイカレントの年収が高い理由
ベイカレントの年収が高いのは、各案件の利益率を高水準で維持していることが挙げられます。
特に、IT戦略やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった高付加価値分野に尽力しており、これらの案件は市場全体でも報酬単価が高い傾向があります。
また、ベイカレントは「ワンプール制」を採用しているため、コンサルタントが短期間でスキルや経験を磨ける環境です。
そのため、個々のコンサルタントのレベルが高く、売り上げに反映されることで、高水準の年収を達成しているのでしょう。
ベイカレントの今後の展望
ベイカレントが2024年4月に発表した「決算補足説明・中期経営計画」では、今後の成長戦略を以下の通り描いています。
注力分野 | 具体的な取り組み |
---|---|
コアクライアント戦略の推進 | トップリレーションの更なる強化に向けて、経営層に対する価値提供重要経営課題に関わるプロジェクト実績を積み上げつつ、PR活動も積極的に実施 現場リレーションの強化に向けて、引き続き営業体制を強化 |
ケイパビリティの拡充 | 各種研究結果をコンサルティングサービスに取り込みDX/IT実装領域の強化(テクノロジー子会社の立上げ) |
優秀な人材の採用・育成 | 更なる採用力向上に向けた体制や施策の強化先進テーマやテクノロジーに関する研修プログラムの拡充 |
これらの取り組みにより、あらゆる業界のリーディングカンパニーの成長に貢献しつつ、企業価値をさらに高め、今後もさらに拡大を続けることが予想されます。
まとめ
本記事では、ベイカレントの公式サイトやopenworkの口コミをもとにベイカレントの年収について紹介しました。
ベイカレント(旧ベイカレントコンサルティング)の平均年収は、約1,074万円となっており、全国民の平均年収460万円と比べて大幅に高いことがわかりました。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2023年度 | 1,074万円 | 31.4歳 |
2022年度 | 1,118万円 | 32.1歳 |
2021年度 | 1,107万円 | 32.6歳 |
ベイカレントの年収の高さは、各案件の利益率を高水準で維持していることや、コンサルタントのレベルの高さが理由に挙げられます。
ベイカレントは、高年収を求める方や実力主義の企業で働きたい方に向いている企業です。
転職市場で人気が高いため難易度は低くないものの、新卒・中途採用ともに積極的に行っているのでチャンスは十分にあるでしょう。
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