総合商社は高年収かつ高い社会的信用が得られる企業が多いため、転職市場で人気があります。
一方で総合商社に未経験から転職することに対し、難しいイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、総合商社への転職が難しいといわれる理由や、求められるスキル・能力について解説します。

未経験から転職するためのコツも解説しているので、総合商社への転職を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。
総合商社への転職が難しいといわれる理由とは?
総合商社への転職が難しいといわれる理由を、以下に4つ紹介します。
まずは現状を把握しておくと、転職における失敗を防げるでしょう。
選考の倍率が高い
総合商社は、年収の高さやネームバリューから転職市場で非常に人気があります。
そのため中途採用の募集が出ると応募が殺到し、選考倍率も高くなりがちです。



応募者が多いぶん、企業はより厳しく候補者を選別できるため、結果として合格のハードルも上がる傾向にあります。
即戦力として働けるレベルが求められる
一般的に転職市場では、経験やスキルが募集要項にマッチした人材を採用する傾向があります。
そのため、入社後すぐにビジネスの現場で成果を出せる人材が有利です。
特に総合商社は選考の倍率が高いため、経験者や高度なスキルを持った人が応募する傾向が高くなります。



結果として総合商社への転職は企業の要求レベルが高くなり、難しいといわれます。
中途の採用枠が少ない
総合商社は、待遇や年収が良い場合も多く、離職率が低い傾向にあります。
加えて、総合商社は人材育成制度が充実していることから、新卒採用を重視する傾向にあります。



数少ない中途採用枠にハイレベルな人材が応募するため、総合商社への転職はハードルが高いといえるでしょう。
選考プロセスが厳しい
総合商社へ転職する場合、一般的な書類選考や適性検査のあと、複数回(3〜4回)の面接を通過する必要があります。
選考の際は、職務経歴をどう活かせるかや論理的思考力、グローバルに活躍できる英語力が求められる傾向です。



企業が重視しているスキル・経験を把握しておかないと、選考突破は難しいでしょう。
総合商社に転職する際に求められる7つのスキルや能力
総合商社への転職の際は、以下の7つのスキルや能力が求められます。
あらかじめ求められるスキルや能力を把握しておくと、転職活動を有利に進められるでしょう。
コミュニケーション力
総合商社で働くうえで、コミュニケーション力の高さは重要です。
なぜなら商社での仕事は、社内外の多くの人と関わりながらプロジェクトを進めるケースが多いためです。
仕事を進めるうえで、取引先との信頼関係構築や社内外との折衝など、あらゆる場面で円滑なコミュニケーションが欠かせません。
特に総合商社では、大型で複雑な案件が多いため、相手の意図を正しく汲み取り、調整や説得ができる能力を求められます。
そのため、コミュニケーション力が不足しているとビジネスを円滑に進めることは困難でしょう。
チャレンジ精神
総合商社での仕事は、未知の領域に取り組むことが多いため、チャレンジ精神が重要です。
前例がない新規プロジェクトや海外市場への進出などが多く、積極性と失敗を恐れずに挑戦し続けるチャレンジ精神が欠かせません。
総合商社でチャレンジ精神を発揮するためには、現状に満足せずに常に課題を見つけていく主体性が必要です。



商社の仕事には正解がない場合も多いため、自ら道を切り開くチャレンジ精神をアピールできると転職活動を有利に進められます。
語学力
総合商社ではグローバルに事業を展開しているため、英語力はほぼ必須の要件となります。
一般的には、TOEIC800点以上が求められる最低ラインとなっており、900点以上のスコアを求められる場合もあります。
一方で、TOEICのスコアだけでなく、会議や折衝などのビジネスの現場で英語をスムーズに活用できるレベルが必要です。
応募する案件によっては英語力だけでなく、中国語など担当する地域に関係する第二外国語のスキルが求められるケースもあります。



語学力は一朝一夕で身につくものではないため、早めに対策をして、継続的にスキルを磨きましょう。
柔軟性
総合商社で仕事をする際には、さまざまな環境変化に対応できる柔軟性が重要になります。
事業分野や取引先の文化も多種多様であり、相手国の文化やビジネス慣習を尊重しながら仕事を進める必要があります。
異なる価値観や考えにも適応できる柔軟性が不足していると、総合商社で仕事を進めることは難しいでしょう。
また、急な海外出張や部署異動、新規ビジネスへの対応など、日常における変化も珍しくありません。



変化へと柔軟に対応して成果につなげていける柔軟性があると、総合商社への転職の際が有利になるでしょう。
バイタリティ
総合商社で働くと、長時間労働や長期出張、予期せぬトラブルなどに見舞われる可能性があるため、バイタリティが必要です。
バイタリティが求められる場面でも踏ん張り、やり遂げる精神的・肉体的な忍耐力がなければ、商社の仕事を全うするのは困難です。
総合商社の仕事では、高額な利益が動くプロジェクトや新規プロジェクトを担当するケースもあります。
そのため、プレッシャーから逃げずに結果を出すバイタリティも求められます。
また、バイタリティは忍耐力だけでなく、行動力の観点でも重要です。
自ら現場に足を運ぶフットワークの軽さも必要であり、行動して問題解決する行動力も求められます。



総合商社への転職を成功させるには、バイタリティを持って行動できることをアピールポイントにすると、効果的です。
ロジカルシンキング
総合商社の業務では、論理的思考力(ロジカルシンキング)が重要視されます。
総合商社の仕事は多額の費用が動いたり貿易取引を行ったりするため、データをもとに論理的に考える必要があります。
また、企画立案や交渉なども行うため、筋道を立てて物事を考え、相手にわかりやすく説明する力も重要です。
近年の総合商社では、データ分析やDX推進なども進められており、より一層ロジカルシンキングが求められる傾向にあります。
総合商社への転職活動の際は、ロジカルシンキングができるとアピールすると、選考通過率を高められるでしょう。
業界知識
総合商社に転職するためには、業界知識などの専門知識も重要です。
総合商社が扱う分野は幅広いため、担当する業界に関する専門知識を有する人材は重宝されます。
自分のキャリアで培った専門性がマッチする募集であれば、業界未経験であっても転職ができる可能性は十分にあります。



希望する募集の事業領域に対する専門性を深め、自分の強みや知見を持っているとアピールできると、より効果的でしょう。
こんな人がおすすめ!商社への転職が向いている人の特徴
以下の特徴を持つ人は、総合商社への転職が向いています。
自分に当てはまる要素がある場合は、総合商社への転職をぜひ検討してみてください。
現在の年収に満足していない人
総合商社の年収は高水準であるため、現在の年収に満足していない人には転職が向いているといえます。
5大商社と呼ばれる5社の実際の平均年収は以下のとおりです。
企業名 | 平均年収 | 引用元 |
---|---|---|
三菱商事 | 2,090万円 | 2023年度有価証券報告書 |
住友商事 | 1,758万円 | 2023年度有価証券報告書 |
三井物産 | 1,899万円 | 2023年度有価証券報告書 |
伊藤忠商事 | 1,753万円 | 2023年度有価証券報告書 |
丸紅 | 1,654万円 | 2023年度有価証券報告書 |
国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」の全給与所得者の平均年収は、2023年度で「460万円」です。
以上のことから、5大商社の平均年収は、全国民の平均年収と比べ4〜5倍程度高いことがわかります。



そのため、現在の年収に満足していない人にとって、総合商社への転職はおすすめできるでしょう。
忍耐力に自信がある人
総合商社で働く場合、地道な作業や繁忙期には長時間労働が続くこともあるため、忍耐力が求められます。
また、複数の企業との仲介役になったり新規プロジェクトに積極的に携わったりする必要もあり、精神的なタフさも必要です。



ハードワークを「自身の成長のため」と捉えて粘り強く取り組める人であれば、総合商社で活躍して成果を残せるでしょう。
キャリアアップを目指したい人
総合商社での仕事には、責任の大きい仕事や大規模なプロジェクトを20〜30代でも任されることがあります。
「若いうちから挑戦していきたい」と考える向上心の強い人にとって、総合商社はまたとない環境です。
さらに、総合商社では成果を出せば30代でも管理職になれるため、キャリアアップを目指す方に適した業界です。



現職でのキャリア形成に不安を抱えていたり、キャリアアップを求めている人にとって、総合商社は挑戦しがいがあるでしょう。
好奇心旺盛でチャレンジ精神がある人
総合商社での仕事は、日々チャレンジの連続です。
仕事内容や新しいことに興味を持ち、自らチャレンジできる性格の人にとって、総合商社での仕事はやりがいにつながります。
総合商社で成果を出すには、「まずは挑戦してみる」マインドが重要です。



前例のない仕事も多いため、好奇心とチャレンジ精神を持って仕事に取り組める人には、商社の仕事は向いているでしょう。
未経験からでも総合商社への転職を成功させるコツとは?
総合商社への転職を成功させるには、いくつかのコツを押さえておくと効果的です。
押さえておくべきコツを以下に紹介します。
自分の市場価値を理解する
転職を成功させるには、自分の市場価値がどの程度であるかを把握しておく必要があります。
自分の経歴やスキルを理解し、総合商社で評価されるかを知ることで、企業や職種選びができ、転職の戦略を適切に立てられます。
自分の市場価値を把握するには、まずはこれまでの経歴やスキルの棚卸しをして、職務経歴をまとめましょう。
棚卸しをして得られた情報をもとに転職エージェントなど専門家に相談をすると、現在の市場価値を把握できます。



自分の市場価値を適切に把握し、志望企業にマッチするポイントをアピールできると、未経験でも総合商社へと転職できるでしょう。
志望企業を研究し、選考対策を入念に準備する
未経験から総合商社への転職を成功させるには、徹底した企業研究と選考対策が不可欠です。
志望する総合商社に関して、事業内容や求める人物像、募集ポジションの情報などすべて調べましょう。
調べた情報をもとに、書類選考や面接で何をアピールするべきかの戦略を練る必要があります。
たとえば志望動機に関しては、「志望企業でなければならない理由」を明確に説明できるようにしましょう。
より詳細な情報を得るためには、志望企業の直近の動向やニュースリリース、IR情報などにも目を通しておくと効果的です。



さらに、志望企業特有の質問やケーススタディがある場合は、他の候補者との差をつけるためにもしっかり対策しておきましょう。
企業側が自分を採用するメリットを考える
企業が採用活動を行う理由は、自社の利益を向上させ、ビジネスを拡大するためです。
そのため、企業は自社にとって採用するメリットのある人材を確保したいと考えています。



企業にメリットを示すには、自己分析と企業の求める人物像のすり合わせを徹底的に行い、価値提供できる項目を提案しましょう。
転職エージェントを活用する
未経験から総合商社への転職を成功させるには、転職エージェントの活用は必須です。
転職エージェントを活用すると、書類添削や面接対策など、転職のプロ目線で志望企業に合わせたサポートを受けられます。
応募書類の作成や面接対策は、自分だけで行うのは難しいため、エージェントのサポートを受けるとブラッシュアップができます。



さらに、志望企業に必要なスキルや経歴のアドバイスも受けられるため、選考通過率の向上が期待できるでしょう。
総合商社への転職におすすめの転職エージェント2選
総合商社に転職する際には、転職エージェントを上手に活用することがポイントになります。
以下に、総合商社へと転職する人におすすめの転職エージェントを2つ紹介します。



いずれも登録から内定獲得まで完全無料で利用できるため、気になるサービスがあればぜひ登録してみてください。
ASSIGN


- 若手ハイエンドの支援実績が豊富
- ナショナルクライアントからスタートアップ企業まで対応
- 豊富なキャリア情報から客観性のある支援を提供
ASSIGNは、20〜30代の若手ハイキャリアに特化した転職エージェントです。
4,000名を超える若手ハイエンドの支援実績を有しており、転職者のさまざまなキャリアプランを叶えています。
転職者の現在地や目指すキャリア、必要なスキルなどをもとに、転職者に合わせた独自のキャリアプラン資料を作成してくれます。
転職支援までの平均面談回数は6.4回と充実しているため、転職に関する不安や悩みも解消できるでしょう。
\20代・30代のハイエンドに特化/
公式サイト:https://assign-inc.com/agent/
概要 | |
---|---|
サービス名 | ASSIGN |
運営会社 | 株式会社アサイン |
ハイクラス向けの求人数 | 非公開 |
対応地域 | 非公開 |
公式サイト | https://assign-inc.com/agent/ |
エンワールド


- 外資系企業や日系グローバル企業の求人が豊富
- 各種業界や職種に精通したコンサルタントが豊富
- 長期的なキャリアを見据えた求人を提案
エンワールドは、外資系企業や日系グローバル企業に特化した転職エージェントです。
エンワールドはカウンセリング力に強みがあり、入社後に活躍できるように転職者と企業のマッチングを実現しています。
また、転職成功者のサービス満足度は97%に達しており、転職エージェントとしての信頼度の高さが伺えます。
\外資系・年収1,000万円以上の求人が多数/
公式サイト:https://www.enworld.com/
概要 | |
---|---|
サービス名 | エンワールド |
運営会社 | エンワールド・ジャパン株式会社 |
ハイクラス向けの求人数 | 991件 |
対応地域 | 全国 |
公式サイト | https://www.enworld.com/ |
総合商社への転職を考えている人によくある質問
総合商社に転職する際に、よくある質問と回答を以下にまとめました。
総合商社に転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
総合商社への転職は何歳くらいまで?
総合商社への転職は、明確な年齢制限がなく何歳からでも可能です。
ただし、年齢が上がるほど要求レベルが高くなるため、難易度は高くなります。
そのため、未経験から転職をする場合は20代など若いほうが有利に働きます。
総合商社への転職を考える場合は、年齢に応じたスキルを身につけるなど、入念に対策を実施しましょう。
総合商社の年収が高い理由とは?
総合商社は在庫を持たないビジネスのため、在庫管理にかかるコストを人件費などに回せるため年収が高くなります。
また、総合商社はグローバルで事業投資などを行っており、大きな利益を上げている点も高年収の理由の一つです。
総合商社では成果主義の場合が多いため、成果を上げれば上げるほど年収が高くなりやすいのも大きな特徴でしょう。
商社に転職するときに活かせる強みは?
未経験として総合商社に転職する場合、以下の強みが役立ちます。
- 特定の業界に対する専門知識
- チャレンジ精神
- プレゼンテーション力
- プロジェクトマネジメント力
- 分析力
- 営業力
転職活動をする際は、自身の職務経歴や強みを棚卸しし、言語化しておくと効果的です。
自身の強みが総合商社の仕事にどのように活用できるかを明確にしておくと、未経験からでも転職を成功させられるでしょう。
総合商社に転職して後悔することはある?
総合商社に転職して、後悔する要因は以下が考えられます。
- 労働時間が長い
- 要求レベルが高い
- 業務内容がミスマッチである
- チームメンバーのレベルが高い
- ワークライフバランスが整えにくい
ただし、転職前に総合商社での仕事について把握しておくと後悔を防げるでしょう。
まとめ|求められるスキルや能力を身につけて総合商社への転職を成功させよう!
本記事では、総合商社への転職が難しいといわれる理由や、転職を成功させるコツについて解説しました。
未経験から総合商社への転職は難しいですが、適切に準備をすれば不可能ではありません。
自分の強みや経験を棚卸しして、総合商社に特化した書類選考・面接対策を行えば、未経験からでも転職ができます。



転職を検討する際は、総合商社への転職に強みを持つ転職エージェントを活用すると、転職成功率を高められるでしょう。
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